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想い想われ歪なカタチ
第8章 8
ああ・・・その絶望的なほど悪魔的な笑い。
顔立ちが整っているだけに余計に不気味で不敵な微笑みに見える。
両手を縛られて、ベッドに横たわっている私は、覆い被さった流牙にとって
まな板の上の鯉やらその他なんとやらだ。

流牙の艶やかな二つの瞳に私が映る。
おそらく、今から私に とんでもなく淫らで恐ろしいことしようと 企んでいるのはもう疑いようがない。
そう考えると、身がすくむのと同時に、下腹部がキュンと熱くなるのを感じた。
不合理な身体の反応に私はますます困惑する。
身体中の毛が逆立って、心臓が異常な高鳴りを覚える。

「どうした?伊吹。嬉しくて口が聞けなくなった?」

流牙の温かい手が伸びてきて、私の唇を撫でる。
否定の言葉を口に出す前に、はぁと熱い蒸気だけを口から吐いた。

「・・っ・冗談じゃなっ・・んふ・」

私の唇を撫でた流牙の指が、上下に割って口内にくちゅりと入り込んできた。
口を開けていた私は、流牙の指をくわえ込む形になる。

「はふっ・・・んふ・  んんっ」

流牙はそのまま、私の口内を指でかき回し、唾液にぬめる舌を優しく撫でたりもした。
心臓が、自分のものでは無いようにどきどきと鼓動して、いまにも飛び出していきそうだ。
また、くん・と下半身が熱く締まる。
両手を拘束されたベッドの上で、流牙に好きなように身体を弄ばれるのだと
認識するだけで、期待に胸が高鳴って、私の女の部分はどうしようもなく熱く火照り始めている。
私の本心と関係なく だ。
なんていやらしいんだろう、私のその部分は。私とまったく別の生き物のようにひくりと動く。
流牙を知って、幾度と無く刷り込まれた快感に、すっかり従順になってしまっている。
しかも、この屈辱的な状況に、酔ってしまってさえいる。
本当は嫌な筈なのに、嫌でたまらない筈なのに・・・
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