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想い想われ歪なカタチ
第3章 3
私は、足の裏から根を張って床にそびえ立つ木みたいに ぴくりとも動けなかった。
白い生地のフリルつきのメイド使用のエプロンをぎゅっと握り締める。
あんまり呆れると、開いた口が塞がらない っていうけど、あれ本当だわ。
だって今、そうだもの。


「いいか? よく聞けよ、伊吹」


呼び捨て!?


「俺が改めておまえの状況を説明してやる」


なんなのその口の聞き方!?


「おまえの親父の会社は倒産! 私財は没収! 
 借金は死ぬほどあっても、おまえに残されたものは耳の毛ほども無い!
 しかも、お前の親父は娘を見捨ててさっさと逃げ出した。今の留守録が証拠だ。

 つまりお前は無一文。もうこの屋敷に住む権利は無い。そして一銭たりとも金は無い。
 今までの衣服は既に処分済みだからな。メイド服(それ)以外に着るものも無い。

 おまえのとるべき選択肢は二つ!
 屋敷を出るか。
 屋敷に残るか。
 
 前者をとるなら今すぐ出て行け。
 ただ、一つ、忠告しておくが、
 先ほどの男がその一味の、お前の親父が借りた金貸し業者はな、
 自己破産したからっておいそれと引き下がるところじゃない。
 少しでも借金の返済になるものだったら何でも売り払う。それが娘でもだ。
 屋敷(ここ)から出ればお前は、高確率であいつらにつかまって
 如何わしいソープにでも売られるのは間違いない。

 それが嫌で、どうしても屋敷に残りたいというのなら、住まわせてやる。
 ただし! この屋敷のメイドとして働くのならだ。
 それ以外には、伊吹、お前の取るべき道は無い」


流牙は一気にそう言い捨てると、睫の綺麗に生えそろった瞳で私を一瞥した。


「わ、私にメイドをしろですって!?」


「当たり前だ。ここはもうお前の家では無いと言ってるだろ? タダ食いは許さない。
 雇ってもらえるだけでも有り難く思えよ。
 給料、手当て、その他もろもろは後で書類にしてきちんと渡してやる。

 掃除、洗濯、水仕事、出来ることはなんでもやれ。
 そして、これが肝心なのだが

 主の命令には絶対服従だ」


流牙がどっしりとした大きなソファーに腰を降ろすと、長い脚を優雅に組んだ。
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