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想い想われ歪なカタチ
第4章 4
その瞬間、流牙は自分の足をさっと引っ込めて言った。


「違うぜ。伊吹?
 床と同じように俺の靴を拭くって言うのか?
 舐めろよ、伊吹。 舐めて綺麗にするんだ」


「は?」


私の脳は、流牙の言葉を理解するのに数分かかる。


「・・・・なんですって~~~~ぇぇぇ??!??」


睨むように上を見上げる私を、流牙が人を試すような輝きの瞳で見下ろしてた。


「口の聞き方が違うぞ。
 聞こえなかったなら『もう一度お願いします』だろ?」


「ちゃんと聞こえたえわよ!! 靴、舐めろっていうの!?
 そんなの、最低。ナニソレ。 バッカじゃないの!?」


嫌悪感を剥き出しにする私に、流牙はさらに追い討ちをかける。


「伊吹。・・・俺の言うことが、聞けないのか」



・・・・・・

んん? 

あれ? 

ちょっと待てよ・・・・・
こういう状況、以前にも一度 あったような・・・・


脳が怒りで爆発する前に、私は少しだけ 古い記憶を掘り起こしてみた。
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