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想い想われ歪なカタチ
第5章 5
「そうだ。全部、お前が俺に望んだように してやったんだよ、伊吹。
 俺が進んでそうしていた訳じゃない。
 そもそも、俺は無口でも無表情でもない。
 機嫌の上下は激しいし、当然のように怒りも感じる。
 口も悪いし、性格も、まぁ自分でも思うが、はっきり言やぁ悪いさ。
 それをお前は本当に知ろうとしたか?」


重苦しいドアの厚い板を通して響く流牙の言葉は 私にはワケがわからない。
言ってる意味がわからない。


「私・・私は――別に、そんな・・・・」


口篭もって、言い返す言葉は浮かばない。

流牙が私に何をされても怒らなかったのは、
流牙が感情を表に出さないでいたのは、
私のせいだと そう言うの?

流牙は、広いトイレの重厚な扉さえ震わすように強く言い放つ。


「違うな。知ろうとはしなかった。

 おまえはおまえの都合のいいように、俺を見立てようとした。
 おまえが興味があったのは、俺がおまえにこうであって欲しいという欲求 それだけだ。
 だからそれに沿うように演じてやった。
 何をされても怒らない。
 全てを受け入れて怒りも感じない。
 お前の命令を無条件で聞き従う。

 だから今まで満足だったろ?
 俺はおまえの望む通りだったろ?
 でもそこには、俺の意思や感情なんてもんは存在しねぇ。そうだろう?

 なぜそうしてたかって、理由なんて単純だ。
 俺は、おまえに気に入られて、この屋敷で働き続けることが出来ねーと
 他に行くところなんか無かったからな。
 何があっても言われるままに従わなければならなかった。必死だったのさ。
 間接的にではあったが、俺はおまえに雇われ、養われる身だった・・・・だからだ!
 でなけりゃ誰があんなイヌみたいに仕えるかよ!!
 さぁ! すぐにここから出て来い!
 出て来たくないなら別にいい。俺がこのドア、ぶち壊してやる」
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