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想い想われ歪なカタチ
第7章 7
その瞬間、ちゃんと瞼を開けたままなのに、目の前が真っ暗になった。
何が起きたかわかんなくて、私は暗闇の目がチカチカした。
その前にどんっ って、大きなものにぶつかった感じがする。
自分の身体を締め付ける強い力を感じた。
さっきまで吹き付けていた、風も雪も感じなくなった。
なにかにすっぽり包まれてるみたい。
気が付けば、私は流牙の腕の中だった。
目の前が真っ暗だと思ったのは、流牙のコートの色だった。
私は流牙に抱きしめられていた。
流牙は私よりずっと背が高いから、
ふつうに立ったままだと私の顔はすっかり流牙の胸に押し付けられてしまう。
息が出来なくって、締め付ける腕の力も苦しくって、
私はちょっと背伸びをして顔をあげて、なんとか流牙の肩のところに顎をのせた。
ぷはぁと息を吐き出す。
そうやって抱き合っているもんだから、流牙の顔が全然見えない。
どんな表情なのか、わかんない。
何も言わすにずっとそうしているから、
ひょっとして泣いているのかなぁ なんて思った。
流牙の身体は酷く冷たい。
公園に振り落ちる雪と同じ温度みたい。
「ねっ もう帰ろう、流牙。
・・・ここは寒いよ。いっしょに帰ろう」
声をかけたら、流牙は何も言わず腕を解いてった。
向かい合って覗き込んだ流牙の顔は、ぜんぜん泣いてなんかなかったけど、
今まで一度も見たことのない優しい顔で、私をじっと見つめていた。
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何が起きたかわかんなくて、私は暗闇の目がチカチカした。
その前にどんっ って、大きなものにぶつかった感じがする。
自分の身体を締め付ける強い力を感じた。
さっきまで吹き付けていた、風も雪も感じなくなった。
なにかにすっぽり包まれてるみたい。
気が付けば、私は流牙の腕の中だった。
目の前が真っ暗だと思ったのは、流牙のコートの色だった。
私は流牙に抱きしめられていた。
流牙は私よりずっと背が高いから、
ふつうに立ったままだと私の顔はすっかり流牙の胸に押し付けられてしまう。
息が出来なくって、締め付ける腕の力も苦しくって、
私はちょっと背伸びをして顔をあげて、なんとか流牙の肩のところに顎をのせた。
ぷはぁと息を吐き出す。
そうやって抱き合っているもんだから、流牙の顔が全然見えない。
どんな表情なのか、わかんない。
何も言わすにずっとそうしているから、
ひょっとして泣いているのかなぁ なんて思った。
流牙の身体は酷く冷たい。
公園に振り落ちる雪と同じ温度みたい。
「ねっ もう帰ろう、流牙。
・・・ここは寒いよ。いっしょに帰ろう」
声をかけたら、流牙は何も言わず腕を解いてった。
向かい合って覗き込んだ流牙の顔は、ぜんぜん泣いてなんかなかったけど、
今まで一度も見たことのない優しい顔で、私をじっと見つめていた。
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