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想い想われ歪なカタチ
第2章 2
「待ちナ。お嬢チャン。
 あんたぁ親父が莫大な借金残したってことは、アンタにも返却する義務があるんだぜ?」


本能的に危険を察知し、逃げようとした私を
別の男がギリ と一瞬で背後に忍び寄り、グワシと羽交い絞めにする。


「お嬢チャン、さっきから思ってたんだけどさぁ。可愛い顔してるね。歳幾つ?」


「放しなさいよ!! ちょっと放して!!!」


こんな乱暴な力で押さえつけられるなんて、初めてだ。
後ろから密着する男の体温が気持ち悪い。
げへへ なんてそのまんま、下卑た笑いを後ろから零してる。

あ、なんか、頭のなかがグルグルする。身体の筋が、肉が、いっそ骨ごと
カチカチに強張って ぶるぶると震えだす。

なんなのよ、これ。 なんなの? なんなの?

まだ、とても 理解が出来ない。
会社が倒産? ・・・・・財産没収? ・・・・・・パパが夜逃げ?? 
じゃあ、私は? 私は?? 

顔を近づける男を、現実じゃない、なにかテレビの映像を見るように見つめる。


「まァ、聞かなくても知ってんだけどね。隠岐 伊吹。17歳、コーコーセーだろ?
 公にゃ、仕事させられねー歳だが、まぁ何とでもなるさ。

 家財のついでに、お嬢チャン、アンタも値踏みしてやろうか?」

耳障りなゴリラ男の言葉の次に私が聞いた音は、
ビシャッ と高い音を発して、私の上着が引き裂かれる音だった。


「きゃああああぁァッっ!!!」


ブラを残して私の肌が剥き出しになる。
屋敷の空調は優れてて、常に快適な温度に保ち続けるから、冬とはいえ私は薄着だった。
その上、男は手馴れた動作でナイフを持ち出したのだ。


「んン~、いい悲鳴だねェ」


悦の入った声で、ゴリラ男はなにやら頷いた。


「最近の子は発育が良いよなぁ。
 何カップ?Cってところか?
 この白のフリルのあしらった下着。 いかにもお嬢サマらしくってそそるねェ」
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