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想い想われ歪なカタチ
第7章 7
うっ・・。さすが流牙。鋭い。

良い服に着慣れた私だから分かるんだけど、このメイド服ってば
肌触りや着心地からして素材は超一流品で、フリルやら刺繍やら裾の始末なんか
かなり手間をかけてすごい凝った作りをしている。
パールホワイトに輝くボタンたちは、間違いなく本物の真珠。
色は品のよい濃い青の私の好きな色だし、エプロンは着たことなんてなかったからすごく新鮮だし、
何より私の身体のすべての寸法を知り尽くしたように仕立てられてて、
着ていると 柔らかい布に すっぽり包まれているようで気持ちいい。

・・・それに、十一年間一緒にいて 流牙が私に何かくれたのって、この服が初めてなんだもん。
(二度目にくれたものは思い出したくもないけど)


「その服、伊吹に一番似合うように俺が直々にデザインしたんだぜ?」


胸元の赤いシルクのリボンに手を掛けながら流牙が言った。


「へぇ・・・そうなんだ。どうりで――
 ・・って、 ちょっと流牙っっ!! なんで服脱がせるの?」


シュルリ、と私のリボンを引き解くと、今度は縦に並んだワンピのボタンに手を掛けてる。


「伊吹がこの服、気に入らないみてーだから脱がしてやってるんだろーが」


くすくす笑いながらそう耳元で囁かれて、流牙は私の首筋にキスを落とすとシーツの波に押し倒した。


「わぁっ! あっ ちょ・・・どう考えたって、別の目的で脱がせてるようにしか思えないんだけど!!」


「なんだよ。嫌なのか?
 さっきの風呂のなかではよっぽどモノ欲しそーな顔していたくせに」


「なっッ!」


絶句してぼぼっと火がついたように顔が赤くなる。
お風呂でのこと、見抜かれてたんだ。恥ずかしい!
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