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BeLoved.【蜜月記】
第16章 【縮】BeLoved.

事実は小説より奇なり。そんな格言(?)を思い出した。

漆黒の髪、多少丸みはあるものの鋭い三白眼。仏頂面。
全光にした照明の下、改めてその姿を見た男の子は。
麗さまの言葉通り『彼』に…流星さまに、それはそれはよく似ていた。

サイズ(?)は…それはそれは小さいけれど。


「似てるっつーか俺なんだって!俺!!」

訴えを聞けば。

自分は今から小一時間ほど前に帰宅した。その直後、とてつもない睡魔に襲われた。
抗うよりも従った方が良さそうだと判断し、仮眠を取るべく横になり、目が覚めたら──体が縮んでいた。

…らしい。
漫画じゃあるまいし、そんなこと、ある??

「ボク、流星の隠し子かな?」
「違げーよ殴んぞヘタ麗!!」
「!」

既視感のあるやりとり!…これはひょっとしたら…ひょっとするのかもしれない。…でも、まさか、そんな??

「未結!」
「ふ"ッ」

訝しんでいる最中、いきなり両頬を挟まれた(変な声も出た)。
いつの間にか、麗さまの手を抜けていた男の子が真正面にいる。仁王立ちになって、わたしの頬を両手で挟んで、まっすぐ見つめている。

「…おまえならわかるよな!」
「!」

この瞳は知ってる。
まっすぐ、射抜くような鋭さ。そして
いつもわたしだけを写す、漆黒の…『彼』の瞳。

間違いない…この男の子は。



「流星さまです…」

事実は小説より奇なり。そんな格言(?)を思い出した。
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