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BeLoved.【蜜月記】
第16章 【縮】BeLoved.

とても寝るどころではなくなったわたしたちは、とりあえず場所を変えようと寝床を出、リビングに移動した。
「何で俺がこんな目に遭わなきゃなんねーんだよ」
「呪われたんじゃねえの?日頃の行いが悪すぎて」
台所に立ち、お茶の用意をしながら見やれば。
向かい合ってソファに腰を下ろした彼らは、もう既に通常運転だ。特に混乱した様子もなく、お互いスマホを操作しながら淡々と会話している。さすが(?)だなぁ…。
「流星お前、会社どうすんだよ」
「それな。とりあえず感染症罹患した挙句喉もヤられたって事にして、しばらくフルリモートフルチャットで対応するしかねーよ。オイ麗、お前も協力しろよな」
「報酬次第。…ていうか… ……ッ…」
突然、麗さまが蹲るように上体を丸めた。
よく見ると……小刻みに震えてる?!
「れ、麗さまどうかされました?!」
なに?なに?!まさか彼の体にも異変が??!
作業そっちのけで駆け寄り、顔を覗き込んだ彼は…笑いを堪えていた。
「ごめ…ごめんね、未…ちょ…、もう無理…」
「ど…どうしました?」
「ぃや、だって…あんなでっかい野郎がこんなちっさくなったって…、結構…笑えない…?」
どうやらツボに入ってしまったらしい。
「なんだそれ。麗お前ひどくね?!」
こちとら死活問題なのだと憤る、小さくなった彼。
望んでなった訳じゃなし、確かにちょっとなぁ…とは思ったものの、わたしに麗さまを責める資格はない。──なぜなら。
「てかおまえもさっきから何ニヤけてんだよ、未結」
「!」
ばれた。
…そう。得体の知れない子供(ごめんなさい)の正体が流星さまだと確信し、安心した反動からなのか…その…なんというか……かわいくて堪らないのだ。
瞳は鋭くても、顔体はまさに子供のそれ。
ちっちゃくて、ふわふわで…大きすぎるシャツを持て余す仕種までかわいい!
「お前ら人の心ねーのかよ!!」
ほら、怒った顔もかわいい!!
「ちょ…待っ…は、 腹痛い…」
「ごめんなさいわたしも… 〰〰っ」
「意味わかんねー!お前ら覚えてろよ!!」
こんな非常事態にも関わらず、我が家の雰囲気は笑いに包まれた和やか(?)なものになったのだった。

