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BeLoved.【蜜月記】
第16章 【縮】BeLoved.

そんなこんなで二度目の夜が来た。
我が家も夕食の時間だ。
麗さまも帰られ、流星さまも業務に区切りをつけ。ダイニングテーブルに着いてそれぞれ箸を進めている。
「マジで面白すぎ…」
「いつまでウケてんだよ。バカじゃねーの?」
食事中も麗さまは相も変わらず含み笑い。
流星さまは…苦々しい表情。それもかわいい…!
しかし会話の内容はなかなか深刻なものだ。
「や、心配もしてんだよ。縮んだのは変な菌が原因で、未結や俺にも伝染ったらやだな、って」
「心配ってそっちかよ。じゃーも手遅れだろ。明日にゃお前も縮んでんじゃね?したら指差して笑ってやるわヘタ麗」
「医者行ってくれば?」
「やだよ。どう説明すんだよ」
「じゃ、お前の兄貴に診てもらえば」
「 絶 対 や だ 」
流星さまの異母兄、椎名さまはお医者さま。
そうか…。考えてみれば体が縮むなんて、確かに何らかの病気が隠れているのかもしれない。
受診は色んな意味で怖いかも。…いや、決して椎名さまがどうとか言うのでなく…。
なんて考えてたら、あることを思い出した。
「あ、そうだ麗さま、今日流星さまとお風呂入ってくださいね」
「…ッえ"?!なんで??」
手渡した7杯目(…)のご飯茶碗を危うく落とされそうになる程、驚かせてしまったけど。
こんな小さい体にあんな広いお風呂、仮にシャワーで済ますとしても、絶対にひとりでは危ない!
「大丈夫じゃない?中身は流星なんだし」
「俺もそー言ってんのに聞かねーのよ、こいつ」
「わたしとじゃ嫌だそうなので…お願いします」
両側から容赦ないブーイングが飛んでくるけれど。
安全には代えられない。
「一日位風呂なしでも死なねぇだろ。我慢しろよボンクラ」
「俺は毎日入りてーんだよヘタレ!!つーか大丈夫だって、未結」
「だーめーでーす!麗さまお願いしますね!」
最終的には彼ら同士の言い争いに発展…しかけたけど。
「ごちそうさまでした」のタイミングに合わせ、無理矢理打ち切ったのだった。

