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誘蛾灯
第2章 混ぜるな危険
 それから夏休みが終わるまでの間暇を見つけては電車に乗り込んだ。勿論女漁りが目的だ。これが普通の痴漢なら「大人しそう」だとか「服装が地味」だとか色々狙い目が有るのだろうが俺の場合は五秒間肌が触れさえすれば気が強かろうがなんだろうが関係なく発情させられ向こうから俺の身体を求めてくるのだから簡単なものだ。この一週間で十人程と寝た。どれも金と暇と身体の疼きをもて余した三十路前後の女だった。この年代の女は身体の魅力で男を繋ぎ止めるのが難しいと思っているようで二回戦三回戦を求めて簡単に財布を取り出す。自室の押し入れの天井裏に隠したクッキー缶の中では諭吉が70人程眠っている。
 今日も朝から満員電車に揺られながら二十代後半のOL風の女性にチンポを直に触らせていた。少しポッチャリした大人しそうな女が俺の肩に顔を埋め荒い息をしながら手技に耽るのを両手で吊革を持って見下ろす。駅が近づき電車が減速すると女は発情しきった顔を上げて耳許で「一緒に降りましょ。」と誘ってくる。よしよし。今日も獲物が吊れたぞ。内心ほくほくしていた。が、
 「あなた!何してるの!」
 突然響き渡る女声に背筋が一瞬で凍り付く。俺の視界に人を押し分けて近付くニ十代後半程の短髪の女性が映る。身のこなしが一般人と違う。あっという間に間合いを詰めポッチャリの手をズボンから引き抜く。
 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。
 何も考えれずにフリーズしている俺に短髪が話し掛ける。
 「鉄道警察です。」
 終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった。
 「君、こわかったね。大丈夫?」
 あれ?これってポッチャリさんじゃなくて俺に言ってる?助かった。念のために手を吊革にやってたのが功を奏した。一方的に痴女に悪戯されてる中学生に見えたのだろう。
 電車が駅に着き扉が開くと正気を取り戻して無実を訴えるポッチャリさんを同僚に連行させた短髪さんは俺をホームのベンチに座らせ自分も横に座る。
 「改めて鉄道警察の梅崎咲子です。」
 名乗りながら警察手帳を提示する。うわぁ!ドラマみたいだ!
 「これ本物ですよね?」
 興奮して失礼な事を訊く俺に梅崎咲子巡査長はニッコリ微笑む。
 
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