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誘蛾灯
第1章 触れるな危険
 それも三年生までだった。四年生になると体育の着替えは男女一緒でも水着は女子は別室での着替えになったのだ。こうなると着替え中の教室は男子だけ。まるで銭湯みたいに素っ裸で着替えるのが当たり前でタオルで隠してると「男らしくない」とタオルを剥ぎ取られるのが関の山。最後には馴れて皆でスッポンポン。こうなると始まるのがチンポの品評会。その中で僕のが一番目立ってた。皆白くて皮を被ってるのに僕のは黒くて父ちゃんのみたいに皮が剥けていた。大きさも誰にも負けていない。特に勉強もスポーツも出来る方でなかった僕も夏のこの時期だけは王様だった。
 秋になると王様の基準がエッチな情報を持っている人に移る。こうなると一人っ子は不利だ。兄ちゃんが居れば情報は上から下へ自動的に流れてくるし、姉ちゃんが居れば生の教材があるのだ。僕が持っている情報、田舎の従姉のオッパイチラ見したことがある。なんて誰も食い付かない。そのうち教室に河原や神社の裏で拾ったというエッチな写真が一杯載った雑誌を持ってくる奴が出てくる。当然こいつがキング・オブ・キングスだ。雑誌はまるで聖典で載ってる言葉は天啓だった。オマンコ、オメコ、アナル、センズリ、オナニー。刺激的な言葉が次々とインプットされていく。
 そんな頃僕は車に跳ねられた。
 病院の看護婦さんは皆大人で子供の僕の身体を触るのに何の躊躇もしない。一方僕は美人のお姉さん達に身体中触られるし伸ばした手が太股に触れる事もある。チンポが硬くなりブリーフを持ち上げるがたいして気にもしない。
 消灯しても看護婦さん達の事が思い出されてなかなか眠れない。硬くなったチンポを擦る、センズリでもしてくるかと起きかけると丁度巡回に来た看護婦さんに見つかった。
 「翔琉君。眠れないの?」
 優しく訊いてくれる看護婦さんにまさかセンズリしに行きたいとは言えず
 「ちょっとね」
 と答えにならない答えを返してしまう。看護婦さんは頭を撫でると手を握ってくれた。温かい体温が柔らかい手から伝わってくる。
 「目を瞑って。ゆっくり息をして。」
 言われるままにゆっくりと深呼吸を繰り返す。二度三度する内に身体の余計な力が抜けていく。
 やっぱりプロの看護婦さんは凄いや。と感心していると妙な事に気付く。僕の呼吸はゆったり落ち着いたのに看護婦さんの息は短く荒くなってきている。
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