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第2章 混ぜるな危険

　咲子は命令に逆らったのではない。命令外の事をしたから罰を受けたのだ。いや、命令云々はただの名目でご主人様の気紛れで謂われもない罰を受ける事もあり得る。漸くそこに気付いたのだろうがもう遅い。
　俺は咲子を跪かせると母性の象徴である乳房に噛みついた。愛撫の甘噛みではない。捕食だ。乳房を噛み千切らんとばかりに歯を立てる。咲子は喉まで上がってきている悲鳴を唇を噛み締めて必死に堪える。口を離すとくっきりと歯形が残っている。
　「これはお前らが俺の奴隷になった印だ。心にしっかり刻め。」
　「嫌です！」
　初巳の叫びにギョッとする。咲子も信じられないと初巳を睨む。
　「こんな時間が経てば消える印じゃ嫌です。」
　何を言ってるんだ？
　「私も嫌です。」
　初巳の真意が理解出来てないのは俺だけのようだ。咲子まで否を言い出す。
　「ご主人様。どうか私の身体に消すことの出来ない奴隷の印を、刺青を入れてください。」
　「ご主人様。初巳は焼き印でも構いません！」
　こいつら場の雰囲気に呑まれて我を忘れてるな。こんな状態で刺青なんかしたら絶対に死にたくなる程後悔する。第一刺青も焼き印も俺の趣味ではない。
　俺は二人を同時に抱き寄せる。落ち着かせる為だったが五秒が経ちスイッチが入る。二人の呼吸が甘い響きを含むのを感じる。
　「気が向いたら・・・な。今は俺を楽しませてくれ。」
　ベッドに大の字に寝ると二匹のメス犬が欲情を隠しもしないで上がってきた。