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女喰い
第5章 淫欲に塗れる中で……。
季節は夏を跨いで初秋に入った。

お美代とお菊はあの事があって以来、特別親しい仲になっていた。
常に手を繋ぎ、寝る時はひとつの布団で抱き合って眠る。
親に捨てられたも同然な2人は、自然と意気投合していた。
お美代は五作に想いを寄せてはいたが、同じ女であるお菊の方がより心が通じ合う。
五作とは2人きりで会う機会がないまま、漫然と時を過ごしていた。

しかし、お菊は彦兵衛の子を身ごもってしまった。
お美代はそれとなく彦兵衛に聞いたが、彦兵衛はお菊を妾にするつもりはないようだ。

それよりもお美代が孕まないので、躍起になって座敷に呼ぶようになった。
凝った趣向をする際は行灯を灯しているが、お美代はちらちらと揺れる頼りない灯りを見ると、重苦しい気分になる。






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