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女教師の神秘
第6章 恋人同士
 あの日以来、拓磨はデート?の時は「詩織さんと呼び、詩織は「拓磨」と呼ぶようになった。「拓磨!」と呼ばれるのは授業中と同じではあるが。
 毎回、ランチを詩織の家でご馳走になるのが、勉強デートの始まりの儀式になっていた。拓磨の英語力も回を重ねるごとに、上がっていった。休憩のコーヒーを飲み終わった後だった。

「拓磨…私とキスしたくない?」
「えっ…」

拓磨は驚いて詩織に目を向けた。詩織の目はふざけていいなかった。

「したい…です」

蚊がマスクを付けた様な声で呟いた。

「しようか…」

詩織はそう言うと、拓磨に寄り添う様に近付いてきた。

「キスだけだからね…」

詩織は拓磨の耳元で囁くと、唇を押し付けてきた。それはお互いの唇の柔らかさを確かめる様な、ソフトなものだった。

「キスは初めて?」
「前に詩織さんとしたのが初めてでした」
「あの時の…そうか…私が拓磨のファーストキスを奪ってたんだね…」

詩織は再び唇を押し付けると、詩織の舌が拓磨の唇を押し開いていった。拓磨も恐る恐る舌を絡めていく。その時、拓磨には時が止まったかの様に思えた。
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