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理想というまやかし
第3章 嘆きの娼婦
「ひんっ、あ……」
「愛乃のここ、柔らかくてとろとろしてて、気持ち良い」
「や、あぁぁ」
「先に奪っておけば良かった」
クリトリスをくすぐりながらそんなことを言う三芳に、愛乃は声にならない悪態をつく。
処女の方が高値になるって言ったのは、誰よ。
三芳は愛乃を慈しむだけの呼び水を、幾重にも渡って繰り返す。愛乃を美しいとささめきながら、そこにあるのはきっと欲望を凌駕する感情。それは、うわべの思い遣りだけで愛乃に接した男にはなかったものだ。
この指に与えられる痛みなら、好きになれる。
腹を決めていたのに、身構える隙も力を抜こうと意識する間もなかった。
頭がくらくらしている内に、本能が快楽しか感じられない内に、愛乃は三芳と繋がっていた。ペニスより細い、まして愛乃と同じで栄養の足りていない少女の指など異物にもならないのかも知れないが、それだけではない。きっと誰より愛乃を知る三芳だから、その愛撫を膣壁も悦ぶのだ。
「あんっ……ああんっ……やっ、私……さっきは痛くて泣きそうだったのに……」
「泣いて良いよ……愛乃。どこが良い?ここ?痛くない?」
「全然っ……気持ちぃぃ……もっと……、あっ、そこ……っ」
二本、三本、と、三芳が指を増やしていく。満たされていく。
愛乃の空っぽだった感情は、長い間、きっと三芳のために生まれ落ちるのを待っていた。