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理想というまやかし
第3章 嘆きの娼婦
四話構成だというレズビアンモノの企画作品は、一話が告白、そして破瓜だ。
もっと初々しさを出せだの処女らしく躊躇えだの注文されても、いざ衣装も下着も外して、三芳の指が愛乃の性感を刺戟し出すと、親への恨みも遠ざかる。みっともないほど下半身をくねらせながら、頭ではリテイクを懸念する愛乃をフォローして、三芳がアドリブを挟んでくれた。愛乃はいやらしいね、私も初めてなんだから、いくら上手いからって誤解しないでね。
愛乃を知り尽くした三芳の指が、体内を泳ぎ回るのが分かる。耳朶が、時折、よく知る甘噛みを受けて背筋まで電流を走らせる。見られて感じてるんでしょう、と、愛乃にだけ聞こえる程度の低音を連れた舌先に、背筋が撓る。
その通りだ。
見られている、という非日常的な状況は、確かに愛乃をとろかしていた。
愛乃の三芳との繋がりは、もっと純潔で複雑なもの。声を大にしてそう言いたくても、愛乃をすみずみまで悦ばせる三芳の呼び水に、指を咥えた蜜壺に、無粋なカメラが近づく度、穢されている自分自身にも欲情する。