この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
理想というまやかし
第4章 哀傷の姫


「それでも私は恋をしたんだよ。真麻に」

「…………」

「どんな過去も気がかりも、関係ない。もし私が好きになったことで真麻に不利益が出るなら、どんな手を使ってでも真麻を守るし、さっきはあんなこと言ったけど、親が楽しみにしてるのは、私の幸せ。親の期待に応えるために男なんかを連れて行ったところで、私が満足出来てなかったら、却って悲しませると思ってる」

「前から知ってたけど、りとって自分好きだよね」

「自分の気持ちを信じてるだけ。真麻も、話してみな。恋人連れてきて欲しくないなら、お母さんは真麻の気持ちを知ったら、考え直すかも知れない」

「私にそんな価値あるかな」

「ダメなら、こっちにおいで。慰めて、部屋一つくらい提供するから」


 りとと話をしていると、母親との楽しい思い出ばかりが蘇る。

 少女らしい丸みが肉体に現れるまで、真麻は確かに幸せだった。申し分なく愛してくれた母親は、参観日は必ず来てくれたし、休日は朝から晩まで一緒に過ごした。母親の恋人を友人と思い込めるほど無垢な年齢だった時分は、突然出来た大きな兄にも可愛がられた。

 男達は、本当に真麻を騙してきただけかも知れない。彼らが法的に裁かれることを免れるために、効率的な口止めをした。


「本当に、部屋……お母さんに追い出されたら、りとが私の居場所作ってね」


 愛乃を本当に愛していた。不義など大嫌いだが、不義だなんて思えなくなるほど深く、真麻はこれから、りとを知っていけば良い。
/103ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ