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理想というまやかし
第1章 孤独の女神
二十一歳の秋、真麻にとって、愛乃は突如降臨した女神だった。在らん限りの情念を歌声に託していた彼女は私生活でも大胆なのだと、多少驚く台詞がその口から飛び出たところで、胸のときめきが先立った。
初めてホテルで彼女の指を迎えたあの日、真麻の陰部は年相応の女の子らしからぬ丸見えになった。
腰から下が、スゥッ、と静かな風を浴びる。音もなく降りていったボトムを、結局、真麻は自ら脱ぎ捨てた。
愛乃が出かけるまであと三十分。
恥ずかしさで濡れかけているのを自覚しながら、ショーツも除く。
「ん……真麻……」
真麻が女神と称える愛乃は、貴女こそ女神だと言わんばかりに跪く。真麻の腰に縋って、露出した下半身に鼻をすり寄せる。
「脱いでって言っただけで濡れちゃうなんて、真麻のエッチ……」
「あんまり、嗅がないで……」
真麻は愛乃に促されるまま、蜜の滲んだ尻を下ろした。ソファに身を投げ出して、剃刀を持ってくる愛乃の背中を見つめながら、これから先の三十分弱を想像して、余計に下腹部を疼かせる。
愛乃は恋人の恥丘に生えてきた縮毛を剃り落とし、それを手のひらサイズより小振りの巾着に入れた。
彼女が持ち歩くのを夢としていたのは、陰毛だけではなかった。ある夜は愛液、ある夜は血液、ある夜は排泄物……。真麻の一部を採取しては、荷物に大切そうに忍ばせて、仕事に出かける。