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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第16章 疼き①
 同時に、自分が役に立てず、捨てられるのではないかという不安が、いっそう強く湧き上がる。

 それに先日アンジェラから、道具としての生き方を否定された。
 彼女なりの思いやりからの言葉だと重々承知しているが、これからどうしたらいいのかが見えず、焦っていた。

 後、もう一つ。
 ディザニアの疑問、役目を果たせない不安とは別に、困ったことが起きていた。

(身体の疼きが……収まらない。あの方に抱いて欲しい……)

 あの激しい交わりを最後に、彼女は一度も抱かれていない。

 しかしすでに快楽の限界を知った身体は、新たな熱を求めていた。

 ベッドに入ると、抱かれた時の記憶が蘇る。
 秘所から我慢できないと蜜が溢れ、切なそうに両腿を擦り合わせる。

 そんな日々が続いていたのだ。

(でもこんなこと、言えない……)

 自分を抱くのは主の意思だ。
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