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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第3章 魔王③
男の顔が離れた。
塞いでいたものがなくなった瞬間、フィーネは不足した空気を求めるように、激しく呼吸を繰り返した。薄い寝衣に包まれた胸が、大きく上下する。
彼女の唇は、男と混じり合った唾液で濡れていた。しかし組み伏せられたままなので、拭うこともできない。
フィーネは乱れた呼吸のまま、自身を見下ろす男を睨みつけた。
「もう、おやめください! 今すぐ引くなら、見逃します! これ以上続けようとするなら、あなたは神官たちに殺されてしまいます。だから……」
(今すぐ逃げて欲しい)
精一杯の脅し、と見せかけた懇願だった。
今まで彼女を襲い、力を得ようとした男たちはみな、神官たちによって取り押さえられ、女神ピアチェを冒涜した罪で殺された。
どれだけ屈強な男であっても、神官たちが持つ《女神の技》の前では無力。
自分を襲った男たちが抵抗空しく殺されるのを、フィーネはただ見ているしかできなかった。
彼女が許し、助けをどれだけ懇願しても、聞き入れられなかった。
塞いでいたものがなくなった瞬間、フィーネは不足した空気を求めるように、激しく呼吸を繰り返した。薄い寝衣に包まれた胸が、大きく上下する。
彼女の唇は、男と混じり合った唾液で濡れていた。しかし組み伏せられたままなので、拭うこともできない。
フィーネは乱れた呼吸のまま、自身を見下ろす男を睨みつけた。
「もう、おやめください! 今すぐ引くなら、見逃します! これ以上続けようとするなら、あなたは神官たちに殺されてしまいます。だから……」
(今すぐ逃げて欲しい)
精一杯の脅し、と見せかけた懇願だった。
今まで彼女を襲い、力を得ようとした男たちはみな、神官たちによって取り押さえられ、女神ピアチェを冒涜した罪で殺された。
どれだけ屈強な男であっても、神官たちが持つ《女神の技》の前では無力。
自分を襲った男たちが抵抗空しく殺されるのを、フィーネはただ見ているしかできなかった。
彼女が許し、助けをどれだけ懇願しても、聞き入れられなかった。