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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第24章 疑問②
 戦争自体、遠い場所の出来事のような、そんな錯覚すら覚える。

(本当なら、私の口から尋ねるべきではないのだけれど。思い切って聞いてみようかしら?)

 侵略している敵から、戦いの話など聞きたくないだろう。何か被害を受けていて、思い出したくないこともあるかもしれない。下手すれば怒りを買う可能性もある。

 そう思い、今まで疑問に蓋をし続けて来た。
 しかし、魔族たちと交流が増えてきた今、知っていたほうが良いのではないかと思うようになったのだ。

 自分を出すことの出来なかったフィーネにとって、小さな進歩だった。

 疲労感の残る身体を伸ばすと、フィーネはお茶の準備をするアンジェラに、今まで自身が抱えていた疑問を思い切って尋ねてみた。

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