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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第25章 花
アンジェラは籠の中から一輪取り出すと、フィーネに手渡した。
「魔王様は、特別に作られたこの花に、『ピアチェ』と名付けられたのです」
「……ピアチェ……ですか……」
手渡された花を見ながら呟く。
魔族は女神と深いつながりがある。
その女神を崇め、感謝の意を示すため、特別に作り出した花に神の名を付けたのかもしれない。
しかし、
(何かしら……この気持ちは……)
心がざわついた。
ピアチェの花を見ていると、何だか気持ちが落ち着かなくなる。
心臓の鼓動が早くなり、全身に熱い血が駆け巡る。首筋から耳にかけて、熱を感じる。
どこか遠くで声が聞こえた。
もうすっかり聞き慣れた、低く優しい男の声だ。
「魔王様は、特別に作られたこの花に、『ピアチェ』と名付けられたのです」
「……ピアチェ……ですか……」
手渡された花を見ながら呟く。
魔族は女神と深いつながりがある。
その女神を崇め、感謝の意を示すため、特別に作り出した花に神の名を付けたのかもしれない。
しかし、
(何かしら……この気持ちは……)
心がざわついた。
ピアチェの花を見ていると、何だか気持ちが落ち着かなくなる。
心臓の鼓動が早くなり、全身に熱い血が駆け巡る。首筋から耳にかけて、熱を感じる。
どこか遠くで声が聞こえた。
もうすっかり聞き慣れた、低く優しい男の声だ。