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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第30章 大浴場⑤
 せき止められていた欲が溢れ出し、流出して全ての意識が飛びそうになる。

「ま、まおう……さま……も、もう……だめ……」

 フィーネが限界を告げたその時、彼女を狂わせていたものが引き抜かれた。

 抜かれたものを追うように、フィーネの蜜穴がキュッと締まったが、気持ちよい圧迫感はもうどこにもない。それなのに秘所は、あったものが忘れられないように、切なくヒクつくのを抑えられずにいた。

 もう少しで達しようとしていた身体が、決壊寸前の欲望を抑えられるわけがない。
 フィーネは泣きそうな目で魔王の両肩を掴んだ。

「どうして……途中で……」

 尋ねる、というよりも、声色は懇願に近い。
 限界間近の身体は男を欲し、フィーネの心を突き動かす。

 しかし魔王は問いに答えず、代わりに彼女を再び湯船に引きずりこんだ。
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