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第31章 大浴場⑥

　心を満たす幸福感は、フィーネの興奮を一層の高みへと導いた。

　自身の身体の変化に気づき、唇を解くと、迫り来る快楽の波に耐えるように、魔王の首元にぎゅっと抱き着く。

「もう……だめ……！　きちゃいますっ、イっちゃうっ！　あっ、あああぁっ！」

　次の瞬間、フィーネの身体は強く魔王に抱きしめると、熱い滾りに深く身体を沈め、そのまま何度も痙攣した。
　
　お腹の奥にせき止められていた快感が、噴きあげる勢いで脳内に激しく流れ込む。

　瞳を閉じると、自身を支配する感覚をより一層感じさせられてしまう。

　絶頂を迎えた身体は、何度もナカで湧き上がる快楽の波から逃れる術を知らなかった。
　ただじっと、その波が落ち着くのを待つことしか。

　その間も、ナカは嬉しそうに男に絡みつき、痙攣しながら彼女の絶頂を伝え続ける。