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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第32章 女神と魔王①
「あれは……一体何なのでしょうか?」
「あれは、ディザニア国とサテアナ国を隔てる結界だ。人間が侵入しないよう、私が張ったものだ。サテアナからディザニアには入れないが、その逆は可能にしている」
何気ない魔王の返答だったが、フィーネが驚くには十分だった。
(あれが……全て結界だなんて……)
聖地の神官たちをどれだけ動員すれば、あれだけの巨大な結界が張れるだろう。いや、神官全員を動員しても無理だ。
改めて、自分の横にいる主を視線を向けた。
初めて出会った時、彼から溢れ出た力を感じただけで、人には対抗しうる手段のない相手だと感じていた。
しかし、それすら表面的なものでしかなかったのだ。
(やはり、私は力を得るために連れて来られたのではなかったんだわ。あれだけの結界を張ることが出来るなら、私の力がなくとも戦争の勝敗など目に見えてる)
何度もディザニアに出兵したのにもかかわらず、人間が撃退されるのは当たり前だ。
「あれは、ディザニア国とサテアナ国を隔てる結界だ。人間が侵入しないよう、私が張ったものだ。サテアナからディザニアには入れないが、その逆は可能にしている」
何気ない魔王の返答だったが、フィーネが驚くには十分だった。
(あれが……全て結界だなんて……)
聖地の神官たちをどれだけ動員すれば、あれだけの巨大な結界が張れるだろう。いや、神官全員を動員しても無理だ。
改めて、自分の横にいる主を視線を向けた。
初めて出会った時、彼から溢れ出た力を感じただけで、人には対抗しうる手段のない相手だと感じていた。
しかし、それすら表面的なものでしかなかったのだ。
(やはり、私は力を得るために連れて来られたのではなかったんだわ。あれだけの結界を張ることが出来るなら、私の力がなくとも戦争の勝敗など目に見えてる)
何度もディザニアに出兵したのにもかかわらず、人間が撃退されるのは当たり前だ。