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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第33章 女神と魔王②
何一つ悪くないのに迫害された魔族たちの気持ちを、人間である彼女を受け入れる懐深さを思うと、胸が張り裂けそうになる。
悲しそうに瞳を伏せるフィーネの横で、魔王の唇が動き出す。
魔族は、元々人間と精霊との混血だった。
そのため、ラファが精霊の力を奪った時、魔族も弱体化し、人間以上の被害を被ったのだ。
魔族たちも精霊同様、ピアチェの力の根源と繋がっているのだという。
“女神ピアチェ様の存在があるからこそ、私たち魔族は生きられる”
アンジェラの言葉を思い出す。
今になってようやく彼女の言葉の真意を理解し、全てに納得した。
精霊と魔族を自分の力に繋げた女神ピアチェだったが、ずっとこのままでいるわけにはいかないことも承知だった。なので精霊や魔族たちが自力で生きていけるよう、邪神ラファに奪われた力の代わりに、自分の力をこの世界に注ぎ、癒し続けた。
今もなお――
悲しそうに瞳を伏せるフィーネの横で、魔王の唇が動き出す。
魔族は、元々人間と精霊との混血だった。
そのため、ラファが精霊の力を奪った時、魔族も弱体化し、人間以上の被害を被ったのだ。
魔族たちも精霊同様、ピアチェの力の根源と繋がっているのだという。
“女神ピアチェ様の存在があるからこそ、私たち魔族は生きられる”
アンジェラの言葉を思い出す。
今になってようやく彼女の言葉の真意を理解し、全てに納得した。
精霊と魔族を自分の力に繋げた女神ピアチェだったが、ずっとこのままでいるわけにはいかないことも承知だった。なので精霊や魔族たちが自力で生きていけるよう、邪神ラファに奪われた力の代わりに、自分の力をこの世界に注ぎ、癒し続けた。
今もなお――