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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第35章 名前①
視線が合うと、フィーネはそのまま瞳を見開き、目を逸らせなくなった。
目の前の男の表情が、あまりにも嬉しそうだったからだ。
いつもの落ち着き冷静な表情とは違う。
彼の抱く想いを表情にして、フィーネの前に晒していた。
今まで見ることのなかった魔王の姿に、フィーネの瞳が釘付けになった。
愛おしさが胸を締め付ける。
「フィーネ。今の言葉は、お前の本心だと受け取っていいのだな?」
いつまで自分の本心を、疑うのだろう。
フィーネは心の中で小さく笑うと、自身の頬に触れる彼の手と自分の手を重ねた。
「もちろんです。何一つ偽ることのない、私の本心です。しかし魔王様こそ、私などでよろしいのですか? 私はいずれ老いてしまう。ピアチェ様の力を持ち、不老となったあなた様とは違って……」
いつまでも彼の傍にいたいとどれだけ願っても、自分はいつか老いて死んでしまう。
目の前の男の表情が、あまりにも嬉しそうだったからだ。
いつもの落ち着き冷静な表情とは違う。
彼の抱く想いを表情にして、フィーネの前に晒していた。
今まで見ることのなかった魔王の姿に、フィーネの瞳が釘付けになった。
愛おしさが胸を締め付ける。
「フィーネ。今の言葉は、お前の本心だと受け取っていいのだな?」
いつまで自分の本心を、疑うのだろう。
フィーネは心の中で小さく笑うと、自身の頬に触れる彼の手と自分の手を重ねた。
「もちろんです。何一つ偽ることのない、私の本心です。しかし魔王様こそ、私などでよろしいのですか? 私はいずれ老いてしまう。ピアチェ様の力を持ち、不老となったあなた様とは違って……」
いつまでも彼の傍にいたいとどれだけ願っても、自分はいつか老いて死んでしまう。