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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第38章 拒絶①
少年の口から知らせれたこの場所の過去に、フィーネは瞳を見開いた。呼吸が早まり、口の中がカラカラに乾燥する。乾いた口内を湿らせることなく、恐る恐る尋ねた。
「ねぇ、ピアチェ様が……昔この場所に住んでいらっしゃったの?」
「うん! 死んだとーちゃんが言ってたの! ここは昔、魔王様が女神ピアチェ様のために作ったお家なんだって」
「……え?」
衝撃が走った。
一言言葉が洩れただけで、それ以降何を言っていいのか分からなくなる。
そんな彼女の精神的動揺など気にも留めず、子どもたちは無邪気に話を続ける。
「そっか、あなたはピアチェ様じゃないんだ。ピアチェ様は長い赤毛と赤い瞳のすっごく綺麗な人だって、とーちゃんが言ってたから、おねーさんがピアチェ様だって思ったのになー」
自分と同じ、赤毛と赤い瞳。
綺麗かどうかはさておき、女神ピアチェの容貌に自分と重なる部分があった。
「ねぇ、ピアチェ様が……昔この場所に住んでいらっしゃったの?」
「うん! 死んだとーちゃんが言ってたの! ここは昔、魔王様が女神ピアチェ様のために作ったお家なんだって」
「……え?」
衝撃が走った。
一言言葉が洩れただけで、それ以降何を言っていいのか分からなくなる。
そんな彼女の精神的動揺など気にも留めず、子どもたちは無邪気に話を続ける。
「そっか、あなたはピアチェ様じゃないんだ。ピアチェ様は長い赤毛と赤い瞳のすっごく綺麗な人だって、とーちゃんが言ってたから、おねーさんがピアチェ様だって思ったのになー」
自分と同じ、赤毛と赤い瞳。
綺麗かどうかはさておき、女神ピアチェの容貌に自分と重なる部分があった。