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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第39章 拒絶②
(これ以上、私の気持ちを悟られたくない……)
そう思い、言葉に詰まりながら返答する。
「な、何にも……ありません……」
「何もないわけがないだろ。そんな辛そうな表情を浮かべて……。この一日で何があった?」
フィーネの肩が掴まれ、無理やり彼のほうへ向かされた。
翠の美しい瞳に射抜かれた瞬間、心の中が悲しみと嫉妬で溢れかえった。
今、自分に触れている手で、かつて女神に触れていた。
今、自分を見つめている瞳で、かつて女神を見つめていた。
頭の中が、真っ白になる。
「……フィーネ」
悲しそうな男の声に、フィーネはハッと理性を取り戻した。
視線を声の主に向けると、瞳を見開き、辛そうに唇を震わせるソルの姿があった。
自分の右手が肩の位置に上がっているのを見ると、反射的に肩に置かれたソルの手を、振り払ってしまったらしい。
主人への失態に、慌ててその場に跪くと震える声で謝罪した。
そう思い、言葉に詰まりながら返答する。
「な、何にも……ありません……」
「何もないわけがないだろ。そんな辛そうな表情を浮かべて……。この一日で何があった?」
フィーネの肩が掴まれ、無理やり彼のほうへ向かされた。
翠の美しい瞳に射抜かれた瞬間、心の中が悲しみと嫉妬で溢れかえった。
今、自分に触れている手で、かつて女神に触れていた。
今、自分を見つめている瞳で、かつて女神を見つめていた。
頭の中が、真っ白になる。
「……フィーネ」
悲しそうな男の声に、フィーネはハッと理性を取り戻した。
視線を声の主に向けると、瞳を見開き、辛そうに唇を震わせるソルの姿があった。
自分の右手が肩の位置に上がっているのを見ると、反射的に肩に置かれたソルの手を、振り払ってしまったらしい。
主人への失態に、慌ててその場に跪くと震える声で謝罪した。