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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第39章 拒絶②
「あなた様と女神ピアチェ様が、恋人だったと聞きました。この離れも、ピアチェ様のために作られたものだと……」

(そして……きっとピアチェの花も……)

 そう心の中で付け加えながら、言葉を続ける。

「ピアチェ様があなた様を庇われたのは……恋人としてお側にいらっしゃったからですよね?」
 
 ソルは何度も激しく瞬きを繰り返していたが、諦めたように大きく息を吐き出すと、フィーネの身体を抱き上げた。
 
 そしてゆっくりベッドに彼女を横たえると、

「お前は少し疲れているようだ。今日はゆっくり休め。明日、お前に大切な話をしよう」

 感情が読めない淡々とした口調で一方的に伝えると、ドアに向かって行った。

 フィーネは何も答えなかった。
 ただ黙って、彼が寝室から出ていくドアの音を聞いていただけだった。
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