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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第40章 拒絶③
見えたのは、銀色。
ぶつかったのは、翠色の視線。
「あ……あなた様が……何故ここに……」
信じられず、思わず疑問が言葉となって洩れてしまう。
城にいるはずのソルが、フィーネの目の前にいたからだ。焦りと怒りと不安が入り混じったような表情を浮かべ、肩で息をしながら立っていた。
怒りに満ちた低くもゆっくりとした声が、鼓膜を震わせる。
「何故? 以前お前に話したはずだ。人間が結界に触れると、私に分かるようになっていると……」
「で、でも……城からかなり離れているのに……」
「私の内にあるピアチェの力を使い、ディザニア国のあらゆる場所へ瞬時に移動しているのだ。他の魔族には無理だがな」
確かに、人間が結界に触れてから馬で移動するには、時間がかかり過ぎる。それなのに人間をすぐさま撃退できることに疑問に思っておくべきだったと、思慮の浅さに後悔が過ぎった。
ぶつかったのは、翠色の視線。
「あ……あなた様が……何故ここに……」
信じられず、思わず疑問が言葉となって洩れてしまう。
城にいるはずのソルが、フィーネの目の前にいたからだ。焦りと怒りと不安が入り混じったような表情を浮かべ、肩で息をしながら立っていた。
怒りに満ちた低くもゆっくりとした声が、鼓膜を震わせる。
「何故? 以前お前に話したはずだ。人間が結界に触れると、私に分かるようになっていると……」
「で、でも……城からかなり離れているのに……」
「私の内にあるピアチェの力を使い、ディザニア国のあらゆる場所へ瞬時に移動しているのだ。他の魔族には無理だがな」
確かに、人間が結界に触れてから馬で移動するには、時間がかかり過ぎる。それなのに人間をすぐさま撃退できることに疑問に思っておくべきだったと、思慮の浅さに後悔が過ぎった。