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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第41章 監禁①
 痛めつけられたのか、服は破れ、見える肌には血が滲み、赤黒い痣が顔を出している。頬は殴られたのか大きな腫れや、細かい擦り傷が無数に出来ていた。

 多分、見えない部分にも、沢山の傷があるだろう。無数の暴力に晒されたソルの身体は、満身創痍だった。

 それなのに、彼は自分よりもフィーネの身を案じている。

 ソルの想いに、フィーネの心は張り裂けそうになった。

「……そ、ソル! ソル‼ だ、誰がこんな酷いことを……」

「あはははは! 俺だよ、フィーネ」

 笑い声とともに、黒髪の男が石階段を降りてきた。

 彼の後ろにはこの国には珍しい、褐色肌の長い金髪の女性がついている。豊かに盛り上がった胸と下腹部を僅かな布で覆ったような、露出度の高い服を着ていた。

 二人は階段を降りきると、フィーネの前に立ち止まった。金髪の女性が前に進み出る。
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