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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第42章 監禁②
 聖地の地下牢に連れて来られると、彼の中に満ちる聖女の力を抜くための儀式が行われた。

 胸のナイフは儀式の名残で、今この瞬間も彼から力を奪い続けている。

「あの女が呪文を唱えると、力が急激に奪われるようだな」

 憎々しげに、ソルはナイフを睨みつけた。
 刺さっているように見えるが、肉体は傷つけられていないらしい。
 
 フィーネには言わないが、あの時の光景を思い出すと、力を急激に奪われる際、肉体的苦痛と伴うのだろう。
 
(そして……私が気を失っている間に、あの男から酷い暴行を受けたことも、隠して……)
 
 ただただ、罪悪感と後悔だけが募っていく。

 ソルが話を終えると、頭を下げて涙声で謝罪をした。
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