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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第48章 脱走②
湧きだしそうになる熱いものを堪えるように、フィーネは瞬きを多くしながら目の前の女性の返答を待つ。
セイラムは、何も言わなかった。
フィーネの言葉の真意を図るように、じっと彼女を探るように見つめている。
そして、
「……分かったわ。あなたに協力する。リリアを守るためなら……私は人間を裏切ってもいい」
決意を固めた青い瞳で、真っ直ぐフィーネを貫いた。今までのような無表情ではない、血の通った本心を見せながら。
(この人は……信用できる。大切な人を守るために、自身の犠牲も厭わない人だわ)
根拠はないが、彼女は裏切らないという説明できない確信がフィーネにはあった。
こうして二人は互いに守るべき者のため、手を組んだ。
そして、神託の儀式の夜。
フィーネの姿は、聖地の外にあった。
ぐったりと身体を馬に預けるソルを乗せ、必死でディザニア国へ向かっている。
セイラムは、何も言わなかった。
フィーネの言葉の真意を図るように、じっと彼女を探るように見つめている。
そして、
「……分かったわ。あなたに協力する。リリアを守るためなら……私は人間を裏切ってもいい」
決意を固めた青い瞳で、真っ直ぐフィーネを貫いた。今までのような無表情ではない、血の通った本心を見せながら。
(この人は……信用できる。大切な人を守るために、自身の犠牲も厭わない人だわ)
根拠はないが、彼女は裏切らないという説明できない確信がフィーネにはあった。
こうして二人は互いに守るべき者のため、手を組んだ。
そして、神託の儀式の夜。
フィーネの姿は、聖地の外にあった。
ぐったりと身体を馬に預けるソルを乗せ、必死でディザニア国へ向かっている。