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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第53章 目覚め①
突然の行動にソルの目が見開き、慌てて彼女を制する。
しかしフィーネは動かない。静かな声で、ソルに語りかける。
「……下がりません。ソル、あなたが逃げて」
「なっ、何を言っている‼」
「何を言っている? それはこっちの台詞です!」
後ろで戸惑っているであろう彼の表情を想像しながら、フィーネは声を荒げた。
どう考えても、こうするほうが世界のためだったからだ。
フィーネの命と、世界の存亡。
どちらが大切なのかは、誰に見ても明らかなのに。
「私が力の根源を受け入れられない以上、あなたを死なせるわけにはいかない。あなたが殺され力が奪われれば、世界が滅亡するわ。だから、私を助けてはいけないの、ソル‼」
彼女の強い言葉に、ソルが息を飲む音が聞こえた。
ショックを受けている、そう感じたフィーネは、声色を柔らかくして言葉を続ける。
しかしフィーネは動かない。静かな声で、ソルに語りかける。
「……下がりません。ソル、あなたが逃げて」
「なっ、何を言っている‼」
「何を言っている? それはこっちの台詞です!」
後ろで戸惑っているであろう彼の表情を想像しながら、フィーネは声を荒げた。
どう考えても、こうするほうが世界のためだったからだ。
フィーネの命と、世界の存亡。
どちらが大切なのかは、誰に見ても明らかなのに。
「私が力の根源を受け入れられない以上、あなたを死なせるわけにはいかない。あなたが殺され力が奪われれば、世界が滅亡するわ。だから、私を助けてはいけないの、ソル‼」
彼女の強い言葉に、ソルが息を飲む音が聞こえた。
ショックを受けている、そう感じたフィーネは、声色を柔らかくして言葉を続ける。