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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第54章 目覚め②
しかし、それだけではなかった。
(これは……どこか懐かしいこの温もりは……)
ソルと触れ合う背中から感じる、彼のものではない温もり。
それは、覚えのないはずの記憶を揺さぶり、懐かしさで心を締め付けて来る。
思い出せ、思い出せと叫ぶように。
昔から、ずっと昔から共にあったと思わせるその存在。
まるで、失われていた自分の一部を見つけたような……懐かしさ。
「ピアチェの力の根源が……反応しているんだ。お前の中に戻りたいと……」
そう囁くソルの腕に、力がこもった。
その存在をフィーネに押し付けるように、強く身体を密着させる。
「フィーネ……今のお前なら、ピアチェの力を受け入れることが出来るはずだ。心の強さを……取り戻したのだから」
「こころの……強さを?」
「……ああ」
ソルが頷き、首筋に顔を埋めるのが分かった。フィーネを抱きしめる腕が、細かく震えている。
(これは……どこか懐かしいこの温もりは……)
ソルと触れ合う背中から感じる、彼のものではない温もり。
それは、覚えのないはずの記憶を揺さぶり、懐かしさで心を締め付けて来る。
思い出せ、思い出せと叫ぶように。
昔から、ずっと昔から共にあったと思わせるその存在。
まるで、失われていた自分の一部を見つけたような……懐かしさ。
「ピアチェの力の根源が……反応しているんだ。お前の中に戻りたいと……」
そう囁くソルの腕に、力がこもった。
その存在をフィーネに押し付けるように、強く身体を密着させる。
「フィーネ……今のお前なら、ピアチェの力を受け入れることが出来るはずだ。心の強さを……取り戻したのだから」
「こころの……強さを?」
「……ああ」
ソルが頷き、首筋に顔を埋めるのが分かった。フィーネを抱きしめる腕が、細かく震えている。