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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第55章 目覚め③
彼の想いを感じながら、フィーネはラファに語り掛けた。
「久しいわね、ラファ。私が貫いた傷がまだ痛むのかしら? ごめんなさいね?」
そう言って両腕を組み、不敵な笑みを浮かべる。彼女の言葉に反応して、大昔、ラファに致命傷を与えた背中の三角錐の一つがくるっと回った。
挑発するような行為に、琥珀色の双眸が吊り上がる。
「……余裕だなピアチェ。今度は……あの時のようにはいかぬぞ」
「そうね。私も、今度こそあなたを滅ぼすわ……完全にね」
口角を引き上げラファに余裕を見せつけると、俯くソルに満面の笑みと言葉を贈った。
「ラファを倒して必ず戻るわ。だから……一足先にディザニアに戻って待ってて?」
「……ああ。待ってる。ずっと……ずっと待っている、フィーネ……」
顔を上げたソルは、泣いていた。
「久しいわね、ラファ。私が貫いた傷がまだ痛むのかしら? ごめんなさいね?」
そう言って両腕を組み、不敵な笑みを浮かべる。彼女の言葉に反応して、大昔、ラファに致命傷を与えた背中の三角錐の一つがくるっと回った。
挑発するような行為に、琥珀色の双眸が吊り上がる。
「……余裕だなピアチェ。今度は……あの時のようにはいかぬぞ」
「そうね。私も、今度こそあなたを滅ぼすわ……完全にね」
口角を引き上げラファに余裕を見せつけると、俯くソルに満面の笑みと言葉を贈った。
「ラファを倒して必ず戻るわ。だから……一足先にディザニアに戻って待ってて?」
「……ああ。待ってる。ずっと……ずっと待っている、フィーネ……」
顔を上げたソルは、泣いていた。