この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第60章 再会④
幻想的な光景ではあったが、それに心を奪われる余裕など、今のソルにはない。
愛する人の存在を、すぐそこに感じていたからだ。
期待を抱きつつ見守る中、フィーネの声が再び脳内に響き渡った。しかしその声色は、どこか焦った様子を見せている。
『嘘……そんな……』
「ど、どうした! 何かあったのか⁉︎」
『私、ラファとの戦いで肉体を捨ててしまったの。だからもう一度、受肉しようとしたのに、元の姿が……フィーネだった姿が思い出せない……わ、私、どうしたら……』
フィーネの言葉が途切れた。
ショックで、この後に続く言葉が出ないのだろう。
声のこもり具合を聞くと、顔を両手で覆って泣きそうになっている姿が想像できた。
肉体を捨てなければ勝てないギリギリの戦いだったと知り、ソルは唇をきつく結んだ。それほどの過酷な戦いを、彼女一人に課したことが、悔しくて堪らない。
愛する人の存在を、すぐそこに感じていたからだ。
期待を抱きつつ見守る中、フィーネの声が再び脳内に響き渡った。しかしその声色は、どこか焦った様子を見せている。
『嘘……そんな……』
「ど、どうした! 何かあったのか⁉︎」
『私、ラファとの戦いで肉体を捨ててしまったの。だからもう一度、受肉しようとしたのに、元の姿が……フィーネだった姿が思い出せない……わ、私、どうしたら……』
フィーネの言葉が途切れた。
ショックで、この後に続く言葉が出ないのだろう。
声のこもり具合を聞くと、顔を両手で覆って泣きそうになっている姿が想像できた。
肉体を捨てなければ勝てないギリギリの戦いだったと知り、ソルは唇をきつく結んだ。それほどの過酷な戦いを、彼女一人に課したことが、悔しくて堪らない。