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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第61章 これから①
その後は、大騒ぎだった。
アンジェラによってフィーネの帰還が魔族たちに伝えられると、城中が喜びで湧いた。
邪神ラファが倒され、女神の力を取り戻したことよりも、何よりも、フィーネ自身が無事戻ってきてくれたことが一番の喜びだった。
皆との再会を終え、少し落ち着きを取り戻した頃には、もう夜もすっかり更けていた。
「フィーネ、そこにいたのか?」
湯浴みを終え、庭で夜空を見上げていたフィーネに、ソルが呼びかける。
愛しい人の声に心が沸き立つのを感じながら、フィーネは振り返った。
「夜空が、星が凄く綺麗だったから」
「そうか。でもこの時間は少し冷える」
部屋に戻るよう促され、フィーネは頷いて答える。
(確かに、これで私が風邪でもひいたら、ソルがアンジェラさんに怒られてしまうわ)
先ほどの二人のやり取りを思い出しながら心の中で小さく笑うと、フィーネは薄手の長いショールをかけ直した。
いつもこの時間、闇に包まれている城は、まだ明かりがついていた。
フィーネは離れに戻ったが、魔族たちの祝いはまだ続いているらしい。
彼女の視線の先に気づいたのか、ソルが苦笑いする。
アンジェラによってフィーネの帰還が魔族たちに伝えられると、城中が喜びで湧いた。
邪神ラファが倒され、女神の力を取り戻したことよりも、何よりも、フィーネ自身が無事戻ってきてくれたことが一番の喜びだった。
皆との再会を終え、少し落ち着きを取り戻した頃には、もう夜もすっかり更けていた。
「フィーネ、そこにいたのか?」
湯浴みを終え、庭で夜空を見上げていたフィーネに、ソルが呼びかける。
愛しい人の声に心が沸き立つのを感じながら、フィーネは振り返った。
「夜空が、星が凄く綺麗だったから」
「そうか。でもこの時間は少し冷える」
部屋に戻るよう促され、フィーネは頷いて答える。
(確かに、これで私が風邪でもひいたら、ソルがアンジェラさんに怒られてしまうわ)
先ほどの二人のやり取りを思い出しながら心の中で小さく笑うと、フィーネは薄手の長いショールをかけ直した。
いつもこの時間、闇に包まれている城は、まだ明かりがついていた。
フィーネは離れに戻ったが、魔族たちの祝いはまだ続いているらしい。
彼女の視線の先に気づいたのか、ソルが苦笑いする。