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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第62章 これから②
 確かにあの時は無理やりだったが、その後は決して無理強いせず抱いてくれたし、フィーネの傷ついた心を、深い愛情で癒してくれた。

(何一つ、恨みなんてもってないのに……)

 しかしそれを伝えても、ソルは納得しないだろう。

 フィーネは頰を赤らめたまま、コクリと頷いた。ソルが、ふふっと笑う。

「今度は服を破ったり、縛ったりしないから、安心しろ」

 彼に服を裂かれ、手の自由を奪われた状態で好き勝手に身体を弄ばれたことを思い出し、全身の体温が一気に上昇した。

 許してはならない行為だというのに、身体の芯がぞくっと震え疼きだし、両腿がもじもじと動いてしまう。

 彼女の変化に気づかないソルではない。

「どうした、フィーネ? なんだか嬉しそうだな?」

 耳元に熱い息がかかった。
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