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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第66章 これから⑥
 それなのに、どれだけ自分を焦らせば気がすむのだろう。

 昂ぶった気持ちを逃すように肩で息をしながら、潤んだ赤い瞳を向け、懇願した。
 吐息交じりのかすれた声が、男を煽る。

「お願い……ソル。もう我慢できない……の……きて……」

「ああ、悪かったな、フィーネ」

 ソルの口角が満足そうに上を向くと、フィーネの腰に手を当てた。

 次の瞬間、

「あっ……ぁ、ああっ……っ!」

 フィーネの細い喉から、声の塊がほとばしった。胸が仰け反り、身体中に力が入る。
 
 ソルが、彼自身を蜜穴に突き立てたのだ。

 男を知らない硬く閉じた身体のせいで、まだ先端しか入っていないが、フィーネの本能を狂わせるのには十分だった。

 それはソルも同じのようだ。

「っ……きつくて気持ちいい……お前があまりに淫らに善がるから、初めてなのを忘れそうだ」
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