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勇者の献上品である聖女は、魔王に奪われその身に愛をそそがれる
第68章 これから⑧
「それは私を、あなたの妻にしてくれる、ということなの?」
「それ以外に、どんな意味がある?」
ソルが笑った。
彼はこの国の王だ。
そして自分は、正体を知らない者からしたら、ただの身寄りのない人間だ。
前世の愛する者たちは、比較的恋愛を自由に出来る身だったが、国を動かす立場であるソルに、身寄りのない自分と結婚できる自由があるとは思っていなかった。
だから彼の死後、神々の地に来てくれること、そして彼との子どもをこの地に残せることだけで満足していた。
でもソルは、そんなフィーネを王妃として、妻として迎えようとしている。
黙ってしまったフィーネに、怪訝な表情を浮かべながらソルが尋ねた。
「どうした? 何か不都合でもあるのか? それとも、私と夫婦になるのが……嫌なのか?」
「違うの! 嬉しい……本当に嬉しいの。でも……」
「でも、どうした?」
「……知らない人々から見たら、私はただの身寄りのない人間。それに、王妃として相応しい教育だって受けてない。こんな私が、あなたの妻になったら……きっと笑われるわ」
「それ以外に、どんな意味がある?」
ソルが笑った。
彼はこの国の王だ。
そして自分は、正体を知らない者からしたら、ただの身寄りのない人間だ。
前世の愛する者たちは、比較的恋愛を自由に出来る身だったが、国を動かす立場であるソルに、身寄りのない自分と結婚できる自由があるとは思っていなかった。
だから彼の死後、神々の地に来てくれること、そして彼との子どもをこの地に残せることだけで満足していた。
でもソルは、そんなフィーネを王妃として、妻として迎えようとしている。
黙ってしまったフィーネに、怪訝な表情を浮かべながらソルが尋ねた。
「どうした? 何か不都合でもあるのか? それとも、私と夫婦になるのが……嫌なのか?」
「違うの! 嬉しい……本当に嬉しいの。でも……」
「でも、どうした?」
「……知らない人々から見たら、私はただの身寄りのない人間。それに、王妃として相応しい教育だって受けてない。こんな私が、あなたの妻になったら……きっと笑われるわ」