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BeLoved. 【懐旧談】
第1章 悪辣
「まっさかぁ。彼氏となんてできないよぉ」
あれから3度ほど(勝手に)絶頂を迎えた彼女は。
我が家のシャワーを我がもの顔で浴びて。
脱ぎ捨てていた衣服をさっさと着込むと
日常に──X女学院の生徒会長様に戻った。
「へー。彼氏とはしないんだねー、アナルファック」
「もー、なーくん!そんなハッキリ言わないでよー」
きゃはは、とはしゃぎながら堂々とメイクまでし出す。
これから塾で、その後は医大生の彼氏と逢瀬だそうだ
(ま、そいつ僕の友人なんだけどね)。
「バラさないでよ?あたし、彼氏のコト大好きなんだからぁ」
女の子の言う『好き』ほど
信用出来ないものは無いね。
そんなことぬけぬけと言っときながら
僕みたいなセフレが居ちゃうんだから。
わるい子だね。
「バラす?お尻が開発済みで、しかも大好きってこと?」
「もー!だからぁ、やめてってばぁー!」
笑いながら、じゃれ合うふり。
お尻ねぇ…。まさかこんなにハマっちゃうとはね。
この子と初めてヤッた時あまりにも締まり悪くて
ものは試しで後ろに挿入れた ってだけなんだけど。
(ぶっちゃけ、それでもあまり気持ちよくない。
もう体の相性がとことんわるい子なんだろうね)
「なーくんだって彼女いるじゃん。バラしちゃうよお?」
「えー?勘弁してよ」
「あ、時間やば。んじゃ、またね。なーくん♪」
「ん。気を付けてね」
身だしなみをバッチリ完璧に整え。
彼女は軽やかに外へと出ていった。
見送りは玄関まで。
一人で帰って行くのは彼女の希望。
欲望が果たされれば僕はもう不要。
ほら、振り返りもせず歩いていく。
バカな子だけどこの辺は楽でいい。
『バラさないで』?大丈夫だよ。
バラさないし、バラさせないよ。
君の学生証も、マイナンバーも
お尻で善がり狂ってるところも
とっくの昔に、撮影済みだから。
─────────
「おまたせ」
部屋に戻った僕は、クローゼットの扉を開けて
声をかけた。──そこに居る、『わるい子』に。
「ほら、出ておいで」