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rena's room ☕ breaktime
第2章 Request1┈*★*┈唇に媚薬
……桜の幹の反対側に立っていたのが
もしユーリだったなら
ちゃんとタイミングを見計らってから、声を掛けてきただろう。
逆に夏輝の場合は
いい意味で気遣うことなく、自然と接してくる気がする。
万一、蓮とタカに見られたとしても
あいつらのことだ、空気を読み無言で通り過ぎたに違いない。
……誰もが場の雰囲気を弁えるであろう、この場面で
敢えて!
故意に!
意図的に!
わざわざ!
destinyなんてふざけた発言をしやがるのは……!!
「よっ、俺の優秀なアシスタント」
ヴィンテージビーズブレスを巻いた左腕を上げて
固まったままの蘭に向けて声を掛けると
「そんなアシスタントの彼女が大好きな君。
名乗らなくても、俺はちゃんと分かってるぜ」
俺の真横に並び、肩を寄せてきた姫宮が
笑みを浮かべて頷いた。
「お前の気持ちはちゃんと伝わった」
「~~!!」
「ありがとう、瀬名。
俺もお前にもっと惚れてもらえるように、頑張るわ」