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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
『俺らはどうしても、 ‟ あいつ ” 側の心境を…』
「ユーリくん。蓮くん先に着いてたよ」
『察しちまうというか……って、えっ!?』
「みんなが来れないこと、話しておくね」
無意識に早足で近寄る私に気付いて、彼が顔を上げた。
ふっと優しい笑みが浮かぶ。
「ユーリくんも夏輝くんも、お仕事頑張ってね。電話ありがとう」
『おっと〜〜美和ちゃん待って! 蓮が目の前に居るならこのまま電話繋い…』
『いいよユーリ』
通話を切る前に、遠くから夏輝くんの声が聞こえた。
『頭の回転が早くて、誰よりも周りを優先して
どんな小さなことでも見逃さず、ちゃんと理解する』
『……!』
『心配ない。
俺達の中でその資質と能力に長けているのは、ダントツでその男だ。
……ただ』
その男、と言われた蓮くんも
忠告を聞かなかった愚かな私も
最後の夏輝くんの言葉は、届いていなかった。
『あいつらによくある、望まない ‟ 偶然 ” や
‟ 不運なタイミング ” が、無いといいけどな』