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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
side…★…蘭
─── 私は自他共に認める、優秀なアシスタント。
普段は婚約者の葵にメロメロ・ゾッコン(死語)の、痛い女だけど
仕事をするときは常に冷静沈着で
自分のスキルを最大限発揮できるように、努力している。
……だけど
自分以上に優秀で、圧倒的に仕事が出来る相棒の前では
まるで役に立たないことを、今まさに痛感させられていた。
「姫宮さん、待ってください」
辺りはすっかり暗くなり、多くの会社員が帰路につく中
線路下に沿った歩道を突き進む、カリスマMDに
追いかける私の発言は、会社を出てからことごとく無視され続けている。
「明日にしましょう! もう7時過ぎてますし…」
「付き合えって頼んでない」
やっと会話が成立した!
「お前は先に帰っていいって言っただろ」
「そうじゃなくて!
そもそもメーカーが勘違いしていたんです。
朝一のセッティングを彼らにやらせれば…」
「そう、そのくだらねぇ現場のミスに俺が気付けなかった」
「……!」
「なんか最近鈍ってるんだよな。自分の感覚が」