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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
信号が点滅して、横断歩道の手前で立ち止まると
姫宮さんは首を傾げて、溜息を吐いた。
‟ 自分の感覚が鈍ってる ”
「……違う。違いますよ」
ようやく追いついて、ゼェゼェ息をしながら彼の隣りに並んだ。
その左手にタブレット端末を持ち、ポケットにスマホしか入れていないのは
彼はまた会社に戻らなければならないからだ。
「働き過ぎなんです!」
このキラッキラなイケメンをチラ見する、周りの女達が引くくらい
私はお腹の底から声を張り上げた。
「マーチャンダイザーってのがそもそも激務なのに
来季SS(春夏)で超多忙時期なんだから、空気読みなさいよって訴えてやりたい」
「いやだから帰れって優しく言ってやっただろーが…」
「私のことじゃありません。
姫宮さんに群がる、社・員・全・員に対して!
みんな度を越えてあなたに頼りすぎです!」
「……!」
「姫宮さん、ざっと10人分の仕事してます。
管轄外の業務とか本当にありえない。
普通の人なら労災レベルですよ、もう……!」