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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
……会社から歩いて行ける距離の、系列会社。
姫宮さんを全速力で追いかけて
大声で叫びまくったから、流石に力尽きた。
胸を押さえて呼吸を整えるけど……ムカムカした気持ちは残ったまま。
「元気だなーお前」
「~~!」
「自称・冷静沈着、どこいった?」
完全に上から目線で、嘲笑いをしながら
このご時世にお前とか普通に言っちゃう人だけど
完璧な顔面とセンスのいい服、それだけではない
彼独特の空気や、声質のせい?
とにかく嫌な気分がまるでしないから不思議だ。
「ついこの前まで、俺自身盛大に愚痴ってたぜ」
「……!」
「出張多すぎ。守備範囲超えすぎ。
意識高い系でもねーし熱血情熱タイプでもねーのに
適当な俺がなんでこんなに仕事してんだって」
「……それなら、なぜ…」
「さぁ?」
運動不足の私の息が乱れたままだから
彼は交差点手前の街灯に、腕を組んで凭れ掛った。
「気まぐれな性格だからじゃねーの」
そう言ってとぼけた感じで、口角を上げた姫宮さん。
……落ち着かせた、アッシュブラウンの髪が
夜風に揺れて光っている。