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rena's room ☕ breaktime
第3章 Request2┈*★*┈片想いの行方
長い睫毛の下から、私を見る透き通った瞳は
いつもの姫宮さんで、変わった様子は無い。
……葵の場合は、確かに睡眠障害があったわけだし
体に影響が無いのなら、本人が言う通り大丈夫かもしれないけど……
「休憩終わりでいいー? 急いで行かねぇと…」
「前に私に言ってくれたこと、覚えてますか?」
ダルそうに首を回した姫宮さんに、しつこく私は近付いた。
そう、あれは
忘れもしない
初めて2人だけで飲んだ、高架下の居酒屋。
「葵に電話しようとした時に、姫宮さんが忠告してくれた言葉。
私、今でも教訓として心に留めているんです」
「………」
「 ‟ 人間ってのは勝手だから。
相手にとっては何でもない事を、ネガティブに捉える習性がある ” 」
……そう、それは ‟ 自分が弱っている時 ” 。
佐伯お嬢様との間に起きた事も、私の今の心境も葵は知らないんだからって
あの時は雷に打たれたみたいな衝撃で、心に突き刺さって
妄想で暴走する寸前だった私を、止めてくれたんだ。